top of page

Vol.3 既存住宅(中古物件)の購入を検討する時に知っておいて!         ~建物状況調査(インスペクション)~

 既存住宅(中古物件)を購入しようとするときは、「買ってすぐ雨漏りしたらどうしよう」「柱とかまだ大丈夫なのかな」「壁にヒビとかないかな」といった住宅の品質に関して不安があります。

 売る人も、何か問題があった場合に、あとから賠償とか嫌だなと不安です。

 売主も買主も一般消費者なので、物件の品質を判断することは難しいからです。



そこで、有効なのが建物状況調査(インスペクション)です。


 建物状況調査(インスペクション)とは、

「建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分(建物の構造耐力上主要な部分等)の経年劣化等の事象をプロが点検・調査すること」

です。

 
 この点検・調査は、基礎・外壁等の部位ごとのひび割れ、欠損といった劣化事象や不具合事象の状況を目視等により行う非破壊調査です。
 調査するプロとは、国の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)です。
 調査には費用がかかり、依頼者負担になります。

 建物状況調査(インスペクション)の活用が促進されると売主も買主も安心して既存住宅(中古物件)の取引ができます。建物の品質を踏まえて購入の判断や交渉が可能になりますし、調査の結果を活用して既存住宅売買瑕疵保険に加入することができるようになります。


 促進するのは、取引の媒介を行う宅地建物取引業者

 そのタイミングは、媒介契約締結時


 これがVol.2で書いた、媒介契約書に記載される「④建物状況調査に関する事項を実施する者のあっせんに関する事項」です。


 法律(宅地建物取引法)上、宅地建物取引業者は、媒介契約を締結したときは、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面を依頼者に交付しなければなりません。

 

 つまり、宅建業者は、媒介契約時に「建物状況調査を実施する業者さんを紹介します、又は、紹介しません」と書かなければいけないのです。お客さんに「建物状況調査」なんていきなり言っても普通は分からないので、当然、宅建業者は建物状況調査とはどういう調査か、メリット・デメリットは何か、を説明した上で、紹介する、紹介しないを言うでしょう。建物状況調査を説明して「でも、紹介しません」とは言いにくいと思います。

 ここで使った「あっせん」「紹介」するということは、建物状況調査の実施に向けた具体的なやりとり(建物状況調査を実施する者が作成した建物状況調査費用の見積もりを依頼者に伝達すること等)が行われるように手配することです。 建物状況調査を実施する業者に関する情報を単に提供することではありません。


 また、建物状況調査をするかしないかは、売主・買主が決めます。必ずしなければならないものではありません。買主が建物状況調査を希望する場合は、所有者である売主の承諾が必要になります。 


 売り物件の品質調査の結果に関する客観性を確保する観点から、宅建業者や取引に利害関係を持つものが建物状況調査の実施主体となるのは適当ではありません。


 

 以上のような建物状況調査(インスペクション)の内容を知っておくと、最初の媒介契約時に宅建業者からこの説明を受けることが大事だと分かります。

 
 建物状況調査は調査時間が必要ですし、購入の判断に使うものなので、重要事項の説明時や売買契約の時に媒介契約書を取り交わしても既に手遅れです。

 

 宅建業者の中には、法律が変わっても勉強しないで、古い媒介契約書等を使用する者もいます。古い媒介契約書なので、「④建物状況調査に関する事項を実施する者のあっせんに関する事項」の欄自体がない場合もあり、インスペクション自体を宅建業者が知らないかもしれません。

 そんな業者の媒介で購入した物件で、入居後に、欠陥等がみつかったら最悪です。


 このような視点で、宅建業者を選ぶのもいいかもしれません。せっかくの大きな買物なので、信頼できる宅建業者を選びましょう。


 費用がかかりますので、購入希望者は宅建業者の話をよく聞いて、「建物状況調査(インスペクション)」をするかしないかを自分の判断で決めるといいでしょう。後悔しないように、安心できる契約を目指しましょう。


お客様への情報提供のページ←クリックでお客様への情報提供のページにリンクします。

宅地建物取引業のページ←クリックで宅地建物取引業のページにリンクします。
















#宅地建物取引業法

#媒介契約書

#建物状況調査

#インスペクション


閲覧数:33回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page